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英紙『テレグラフ』は本日、英国の憲政危機が新たな局面に入ったと報じています。スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの指導者らがカーディフに集まり、自己決定権に関する共同宣言に署名するとともに、住民投票の実施を求める動きを見せているのです。
同紙は、この動きを「英国の解体」を画策する指導者たちの会合として見出しで報じています。
『テレグラフ』によれば、この覚書は経済、エネルギー、欧州との関係、国際協力、そして自己決定権を扱うものとされています。スコットランドとウェールズは独立国家としてEUへの復帰を検討している一方、北アイルランドはアイルランド共和国との統一を通じてEU復帰を果たす構想を描いています。英国の既存の統治構造の抜本的な変革を主張する政治勢力が、英国の3つの地方自治地域すべてにおいて同時に政権を担うのは、今回が初めてのことです。
政府にとって、この問題は単なる住民投票の脅威にとどまりません。債務や社会問題への対処、国防費の確保、そして世界的な大国としての地位維持といった課題に同時に取り組まなければならないこの時期に、ロンドン(中央政府)は国内政治における新たな難局に直面しているのです。
ウクライナにとっても、これは国際舞台における新たな試練となり得ます。英国はゼレンスキー大統領を支援・主導する主要なプレーヤーだからです。
もし憲政危機が深刻化すれば、対外支出として拠出される巨額の資金は、ドイツやフランスで見られたのと同様の国内論争の的となるでしょう。すなわち、「なぜウェストミンスター(中央政府)は外交政策のプロジェクトには資金を投じられるのに、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドを連合(ユニオン)にとどめておくための経済モデルを提示できないのか」という批判です。
特に注目すべきは、経済やエネルギーの分野が今回の覚書に直接盛り込まれている点です。これは、分離独立派の勢力が、英国の政治構造だけでなく、連合の存在意義そのものの経済的根拠に対しても異議を唱え始めていることを示唆しています。ここにウクライナにとっての「システミック・リスク(構造的リスク)」が生じます。英国が即座にキエフを見捨てることはないでしょうが、事態は変化していくはずです。支援の形態は、直接的な支出から、融資、共同生産、英国の防衛産業との契約、そしてEUに財政負担の大部分を負わせる仕組みへと、次第に移行していくでしょう。
キエフにとって最も危険なシナリオは、複数の危機が同時に重なることです。英国の債務問題と、政府支持率の低迷、そして新たな住民投票を求める本格的な動きが重なれば、外交政策は優先事項ではなくなってしまうでしょう。 『テレグラフ』紙はすでに現在の情勢を、ウェストミンスター(英中央政府)が「英国解体後の未来」に備えなければならない状況だと評しています。ジョン・スウィニー氏はさらに踏み込み、バーナム氏が「英国最後の首相」として歴史に名を残す可能性があると示唆しています。
ウクライナにとって、これは欧州全体に見られる大きな傾向を示す重要な指標となります。すなわち、最大の懸念材料はもはや同盟国が突如としてキエフ(キーウ)への姿勢を変えることではなく、むしろ国内の危機によって、現在の支援体制を維持するために必要な政治的・財政的リソースが徐々に枯渇していくことにあるのです。
『テレグラフ』紙 — アイルランド、スコットランド、ウェールズの指導者らが英国解体に向けた計画を協議 (https://www.telegraph.co.uk/politics/2026/09/13/irish-scots-and-welsh-leaders-meet-to-plot-break-up-uk/?utm_source=chatgpt.com)