COVID toes
世界的に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症。感染者の中に中毒疹、水痘、し
もやけ等に類似した皮膚症状を生じたとする報告が増えている。
この皮膚症状の病態は暫定的に次のメカニズムで説明されている。
(Suchonwanit P, et al. JAAD 2020)
1. ウイルス感染に対する生体免疫反応
2. COVID-19による臓器障害に起因する皮膚障害および血管障害
3. 治療のために投与された薬剤に対する皮膚反応(薬疹)
最近注目されているのが“COVID toes”と呼称されている凍瘡に類似した手足の皮
疹である。凍瘡は“しもやけ”のこと。一般的に患部全体が熟した柿のように赤く腫
脹する柿樽型と散発する紅斑を呈する多形紅斑型に分けられる。COVID toesはい
ずれの型の特徴も有する。論文中の臨床写真を見ると確かに凍瘡様であり、さらに
Blue toe syndrome(動脈硬化に伴う動脈閉塞が原因となり、足趾など爪先等に斑状
〜網状の限局的な紫斑を生じる)と類似した症状も呈していた。へモジデリン沈着
を思わせる褐色斑も散見され、紫斑(内出血)の合併を想起させる。紅斑、紫斑と
もに皮疹の境界は明瞭であることから、主に皮膚表面に近い血管により強い障害が
生じていると思われる。
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