ゴッドフリー・レイ・キング著『マジック・プレゼンス』P155-159抜粋

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一同が顔を上げた時、テーブルは純白のクロスに覆われ、それぞれにナプキンが置かれていた。中央には見事な彫刻を施した翡翠の花びんが鎮座し、バラの束で満たされている。咲いた花々に混じってわずかに、つぼみが開く寸前のものもある。部屋中にバラの香りが広がった。次いで黄金色に輝く液体が入った水晶グラスが各自の前に現れる。サン・ジェルマンがグラスを掲げ、乾杯の音頭をとる。

「君たち一人ひとりと、全人類の栄光と完全性、神の啓示に乾杯」

ボブが一気にグラスを飲み干した。濃縮されたエッセンスが電光のごとく体内を駆け巡ると、驚きの表情を見せた。

続いて待ち構えていたかのように、平皿、椀、盛り皿、さらには見たこともない精巧な磁器が現れた。真珠のような材質で、金の浮き彫りが施されたものだ。ナイフとフォーク、スプーンも、未知の白色メタルでできており、いずれも彫刻入りの水晶製の柄がついている。各自の皿に薄切り肉が現れたが、口にした瞬間、それが肉ではないとわかった。

サン・ジェルマンが説明する。

 

「この薄切りは、まだ地球では知られていない物質を組み合わせで作った食べ物だ。理解してもらいたい。我々アセンデッド・マスターと呼ばれる者は肉を食べることはないし、本来は人間も肉食をすべきではない。これには明確な理由がある。動物の肉を構成する原子は、ある意味この世の物質が凝縮されたものだ。そこには当然、過去に蓄積された個々のネガティブな思考や感情も含まれる。

最初の二度の黄金時代、地球上に動物はいなかった。動物が出現したのはその後、人類が不和を生み出してからだ。『創世記』に描写されている最初の創造は、これら二度の黄金時代のことであり、非常によき時代であったと述べられている。その後、闇が生まれた。すなわちそれが“人間の堕罪”と呼ばれる出来事で、人間の知性が感情を通じた肉体的・本能的欲求に向かった。 そうして人間の精神は次第に物質界に沈み込み、自身の生命エネルギーの源“大いなるアイ・アム・プレゼンス”を忘れた。生命の神秘、神の完全なる計画が見えなくなった人間の感情には、以来ますます不和の要素が入り込んでいった。

人間が動物を殺すことに執着する限り、感情に宿った悪習慣を断ち切ることはできない。人間自身がその悪癖に縛られ続けてここまで来たとも言えるのだが。その意味でペツトに愛情を注ぐ行爲は、人間の精神を浄化し向上させ、過去の調和に満ちた創造の一部分を呼び醒まし、生命が本来あるべき流れに向かわせてくれる。人類が調和を取り戻し、純粋になれば、地球上に生息する動物たちは消滅するだろう。その段階に達した時には、植物の生命状態も変わり、枯れ果てることもなくなる。つまりは地球が、エデンの園で描かれたような本来の純粋な姿に戻るのだ。これは神の叡智に従うことを意味している。

肉食の大きな弊害は、屠畜時に経験した恐怖が動物の肉に記憶されている点だ。動物には感情体があって、過去に蓄積された恐れと殺される瞬間に抱いた恐れの振動が刻み込まれている。それは肉を食べた人間の感情体にも吸収される。また、凝縮された形で人間の脳内に溜まっていく物質もある。そうして“大いなるアイ・アム・プレゼンス”から人間の知性に流れ込むはずの、より繊細な衝動が削がれる結果を生む。 今述べた有害な物質についてすら、個々の人間の自由意志を尊重するため、我々アセンデッド・マスターが介入することはない。恐れ、恐怖心はあらゆる場面、段階で現代人を支配している感情だ。また、人格をコントロールし、破壊的行動に走らせる邪悪な力でもある。滋養強壮に肉食は不可欠だという理論は完全に間違っている。考えてもみてくれ。地球上で最も強い生物の一つであるゾウが、肉を食べているか?

同様のことは動物から作るワクチンにも言える。生体に免疫を作り出させて病気を予防し、子どもも大人も健康体にすると主張しているが、これなども邪悪な力が意識的に行なった活動の一つだ。人類の理想の現実を阻むため、破壊的感情に陥らせ、健康と抵抗力を奪う。そうとは知らずに医学者たちは、科学の名の下で破壊行為に加担してきた。なぜそのようなことが起こるのか? それはひとえに人間が五感に基づく欲求、つまり肉体に直結した感情を満たそうとするからだ。そのために驚異的な精神力と“大いなるアイ・アム・プレゼンス”の純粋なエネルギーを使い続け、さらなる不和と破壊をもたらしている。

肉体的欲求や気まぐれの充足に費やしているエネルギーを、完全性の追究や素晴らしい物事の創造に向ければ、多くの人間もアセンデッド・マスターたちと同様の奇跡を実践できるようになる。しかしながら、 現在の肉食の慣習を蛮行と見なせるようになるまでは、 五十年ほどを要することになりそうだ。

自意識を介して“大いなるアイ・アム・プレゼンス”の完全性を求めるなら、先ほど述べた脳内に溜まる物質は一掃した方が望ましい。影響の大きい順に述べると、麻薬、アルコール、肉、タバコ、過剰な砂糖、塩、 濃すぎるコーヒーといったところだ。

その解決策は、自身の不完全な状態に焦点を当てず、調和によって負の嗜好を克服し、完全な状態になったさまを思い描く。“大いなるアイ・アム・プレゼンス”を呼び起こせば、苦痛も問題もなく肉体的な面を修正していかれることを、つねに覚えておいてほしい。

完全性への道のりは“大いなるアイ・アム・プレゼンス“の働きにかかっている。不和やしがらみ、苦痛や限界などの束縛から自分を解放すること以外に、個々に求められるものはない。その変革は神の愛に則り、 調和した形でなされていく。

脳や体の構造を浄化し、 人格が過去に肉体に取り入れた不要物を一掃するには、自分の“大いなるアイ・アム・プレゼンス“を呼び起こして、カルマを焼き尽くす「紫の炎」を心身に注ぐ。その際には次のアファメーション(肯定的な確言)を使用する。

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ゴッドフリー・レイ・キング著『マジック・プレゼンス』P155-159 ナチュラルスピリット発行

 

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