https://mainichi.jp/articles/20240601/k00/00m/040/089000c
24色のペン
パンデミック条約に反対する理由=國枝すみれ(デジタル報道グループ)
毎日新聞 2024/6/2 06:00(最終更新 6/2 06:00) 有料記事 1748文字
5月31日、東京・日比谷で「WHOから命をまもる国民運動大決起集会」が始まった。
「日本政府はテドロス(WHO)事務局長の解任を要求せよ」
「WHO脱退を閣議で決めろ」
全国から日比谷公園大音楽堂(通称・野音)に集まった人々が厚生労働省のある霞が関の方角に顔を向けて叫ぶ。
集会の目的は「WHOを盲信(もうしん)する日本政府から国民の命を守る」こと。率いるのは、新型コロナウイルスワクチンに反対する団体だ。
同じ頃、スイスではWHO総会が開かれ、感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定めたパンデミック条約の創設に向けた議論が行われていた。
集会の参加者はコロナワクチンは「毒」と信じている。WHOがパンデミック条約を作り、緊急事態が宣言された際の対応手続きを定める国際保健規則を改正することによって、「加盟国の手足を縛り、ワクチンの強制接種をもくろんでいる」「日本の主権が侵害され、保健政策がWHOの管理下に置かれる」などと主張する。
WHOは「ワクチン接種を強制することはない」と否定している。また、国際保健規則が改正されても、加盟国は自国の保健政策に基づいて立法し、政策を実施するため、主権を失うわけではない。
WHOは新型コロナのパンデミックを教訓にして、次のパンデミックに備えようとしている。ワクチンを含む医療物資を途上国にもっと分配し、疫病が発生した国はすぐにWHOと情報を共有して、必要なら支援を受ける体制を作ろうとしている。
パラレルワールド?
だが、ここに終結した人々は、現状とかけはなれた異世界、パラレルワールドに住んでいる--。私にはそう思えた。